中学受験で成功する「黄金法則」とは

長きに渡り女子最高峰として君臨し続ける桜蔭中。2月1日には、あらゆる中学受験塾の最上位に属する女子たちが集い、実力勝負が繰り広げられます。

そんな才女たちから合格者を選抜するために、桜蔭中はどのような算数の問題を課すのでしょうか。以下、桜蔭算数の傾向について分析していきます。

[1]桜蔭算数の特徴1:頻出テーマの問題

不定方程式、立体図形、条件整理など、桜蔭算数の頻出テーマを列挙してみると、「男子最難関校の入試問題?」と見まがうようなものであることがわかります。このような女子校らしからぬ骨太な頻出テーマからの出題は、各テーマごとに備えておくべき知識が試されるだけでなく、問題を解く過程のあらゆる局面において思考力が試されます。

これらの頻出テーマの問題については、単に過去問を解きこむだけでは不十分です。各テーマごとに留意すべき点を知っておくことが前提となります。留意点の詳細は【桜蔭中学の算数:対策】を参照して下さい。

[2]桜蔭算数の特徴2:記述型の問題

「問題用紙より先に解答用紙をチェックする」のは、入試問題の傾向分析を行うときの常套手段です。

では、桜蔭算数の解答用紙にはどのような特徴があるのでしょうか。従来の「算数・理科で合わせて55分」という特殊なスタイルから「算数のみで50分」というごく普通のスタイルに変更された平成16年以降の解答用紙は、どの年度も同じようなものです。冒頭の小問集合に含まれる答えのみを書かせる問題を除き、式や考え方を記入させる記述型の問題が並びます。いかにして正答にたどり着いたか、その過程を採点者に伝わるように答案に表現することが求められます。

一般的な模試は答えのみを書かせる問題ばかりなので、それに慣れてしまった生徒は桜蔭算数の解答用紙を目の前にすると身構えるかもしれません。過去問演習に取り掛かる前に、まずはそのあたりの心理的な抵抗をなくしておきましょう。

[3]桜蔭算数の特徴3:処理するのに時間がかかる問題

ここ数年の桜蔭算数は、難易度という視点からすると非常に穏やかといえます。にもかかわらず、思うように得点できない生徒がいるのも事実です。難しいわけではないのに問題が解き切れないという状態は、生徒にとって大きなストレスになります。

そんなストレスの引き金になっているのが、「処理するのに時間がかかる問題」。大きく分けて2つのタイプがあります。

1つ目は、小学校4年生でも時間をかければ解けるが、数学に腕ありの大人でも短時間では解けないという、いかにも算数らしい手間がかかる問題。

2つ目は、正答に至るまでの計算量が多いうえ、数値が煩雑で一つ一つの計算自体に時間がかかる問題。

このようなタイプの出題が想定されるということをあらかじめ認識しておきましょう。出くわしたときに慌てないこと、そして焦らないことです。