中学受験で成功する「黄金法則」とは

概要:5年生

サピックスは他塾にくらべ学習進度が速いのが特徴です。4年生から5年生の意向時期は特に、その速さについていけず戸惑いを感じる生徒も多いことでしょう。算数Bを学習の主軸に見据えた1週間のスケジュールを構築することが大切です。早い段階でこのペースを確立したいものです。その週で習得した単元はその週で理解・定着させるのがキーポイントになります。

5年生前半は、数の性質、速さ、割合といった入試の要になってくる単元のほかに、点の移動、量の変化といった複数単元にまたがった分野が登場し、一気に内容が難しく感じられるかもしれません。単元のまたがった問題を解くことにより、思考を転換する作業が必要となってきます。

女子学院中志望者にとって最も重要になってくる単元は、5年生の夏期から登場する、比の学習です。

5年生後半は、速さと比、平面図形と比といった女子学院中必須の単元が組み込まれてきます。

■テキスト

基礎トレ

日付とおりに1日1ページ。スピード練習として。1週間同じ内容が続くので、1日目は無制限。2日目以降は時間の制限を設けて行う。

デイリーサポート

表面で復習。授業があった日に必ず行うこと。ただどうしても時間が取れない場合は問題を解くのは翌日にして『デイリーサポート』を見返して授業で解説された内容を反芻するだけでもよい。そして、翌日には必ず裏面での解き直し。Dレベルまででよい。

デイリーサピックス

土日にその週の学習を完了させる。

★ ★までは必須。★★★は可能な限り解けるように。思考力問題は除外しても構わない。

デイリーチェック(H)+基礎力定着テスト

85%以上の正答率を確保。

『BASIC』

各単元の学習時期に合わせて単元補強。

例:月曜日、水曜日に算数があった場合

             

概要:6年生前半

算数Bを主軸に学習スタイルを構築するのは5年生と変わりません。ただ通塾曜日が変わり、取り扱う教材も増え、新たな1週間スケジュールを立て直す必要があります。優先順位をきちんと見据えた勉強スタイルを作り上げてそれを実行するようにしていきましょう。

5年生の使用テキストに追加する次項をまとめます。

土特 授業中に間違えた問題のみ家庭で解き直しをする。
問題演習に終止するためここでの苦手分野克服には至りません。
得意分野をより強固にするための時間と割り切るべし。
入試問題演習 こちらも土特と同じ捉え方でよし。
分野別補充プリント 女子学院中志望者にとって重要。このプリントは重宝します。ただ、正しい解説があってのことです。これを 自力で解こうとしても効果薄です。何がポイントでどのようにポイントを使って解いているのかをきちんと授業で受けて上で、反復練習するようにしましょう。

ゴールデンウィークのGS特訓は、校舎によっては桜女クラスという設定で、女子学院中志望者にもかかわらず演習の半分を桜蔭中の問題を解くことになり、なかなか大変の目に遭います。ただ、2月1日にはそのレベルまで自らを引き上げないといけないという厳しさを実感するよい機会と捉え、冷静に自分の力を受け止め次に生かしましょう。解けなかった問題、計算でミスした問題、ポイントが見抜けなかった問題など分野別にして自分でチェックし、例えば2ヶ月後の夏休み前にざっと復習するというように活用することをお薦めします。

概要:6年生夏休み

サマーサポート

難易度が急上昇します。女子学院中の出題傾向にそぐわない問題が多いため、こちらで生徒にあった問題を状況に応じて取捨選択するということになります。難問に時間をとられてしまい処理速度が鈍りがちになるため、テンポよく解き進める作業を補わないと行けません。幸いSAPIX生には『基礎トレ』というテキストがあるので、スピード感覚を鈍らせないためにもこちらを使うのがよいでしょう。あくまでもスピード重視です。

『チャレンジ問題・計算問題』でサマーサポートの補強をしなくてはいけません。一つの問題でどの解法がてきしているのかを見極める力をつけるためには、「対策」でも述べたように、解ける問題で解法力を鍛え上げることです。解法を身につけるとともにスピードアップも心がけて練習しましょう。

『有名中学入試問題集』はクラスによって取り扱いが異なりますので、塾からの指示が負担にならないように、臨機応変に対応していきましょう。

『夏期集中志望校錬成特訓』から本格的な女子学院中対策授業となります。ただ、テストに加え演習授業が続きますので、家庭での復習する時間を確保するのは難しいでしょう。できる限りでいいですから、その日の授業でできなかったものは解き直しだけしておきましょう。

概要:6年生後半

後半は、優先順位をきちんとつけて、いろいろなことに手をつけないよう的を絞って1週間の学習スタイルを崩さないようにしましょう。

SS特訓

学習の主軸として取り組んださい。志望校別講座でのテスト演習は、時間配分という点で重要です。各自それぞれにあわせた時間配分を提案し解いてもらいます。1回終えるごとに、時間配分は適切だったか、解法に抜けがなかったかをチェックし次につなげていきます。また、志望校別で取り扱うプリントは重要です。内容によっては、女子学院中・雙葉コースで同じプリントを扱う回もありますが、収録されている問題をみる限り、どちらの学校を志望していても必要な演習でしょう。

『女子学院中学への100題』

半分は過去問の数値替えなので、必要な問 題はピックアップしてやってもらいます。

過去問演習

SSのテスト演習と同じ取り組み方をしてください。最低10年分は解きます。はじめに述べた「対策」で、女子学院中志望者にとって必要な力、「処理能力の速さ」「スピード」「時間配分」この3つを念頭に置きながら、1年1年何がたりなかったのかを反省しながら次につなげていきます。また、11月12月から併願校の過去問も順次取り組んでいきます。

『チャレンジ問題・文章題』

文章題の中で女子学院中必須の「速さと比」「和と差の比」「平面図形と比」を主に補強していきます。問題量もたっぷりあるのでいろんな角度から出されても自信を持って解けるようにしていきます。

『チャレンジ問題・計算問題』

円周率の多発する問題、体積・表面積答えが一つでなく範囲のある問題など、計算の処理能力を上げるために利用していきます。

平常授業については、間違えた問題の解き直しとなぜ間違ってしまったかの自分なりの分析をするようにしてください。単なる計算ミスなのか、その単元の基本がまだ定着していないのかなど。ただ、あまりのプリント教材のためどれをやるべきかわからなくなてしまうと思います。そのときはとにかく講師の指示をあおいでください。そして、やるべきことを見失わないようにしましょう。時間は限られています。今なにをすべきなのかをきちんと見据えて、以上述べてきた優先順位で日々の学習を粘りよく根気よく取り組みましょう。また、『基礎トレ』は必須です。かならず毎日やってスピード感覚を養いましょう。