中学受験で成功する「黄金法則」とは

桜蔭の理科はシンプルです。その学校でしか出されないようなクセのある問題はなく、標準レベルから難問まで出題され、実力で少しずつ差がついていきます。

これは、一般的な塾の問題集やテストに出る問題と近いといえます。

つまり、塾での勉強がそのまま使える入試です。もちろん日能研もこれに含まれます。ですから、桜蔭志望生は理科の勉強はあまり大変ではないともいえます。塾で習うこと、問題集やテストに出ていることを確実に出来るように出来るようにすればよいのですから。

日能研はカリキュラムにも無理はなく、桜蔭受験に必要なことは充分にこなせるようになっています。『本科教室』と呼ばれる授業用のテキストも、予習シリーズほど詳しすぎることもなく、SAPIXの教材のように単元がバラバラになることもなく、よくまとまっています。ただ、全ページ白黒印刷ですので、図や写真が印象に残りにくいのが難点です。まずは『実験資料集』を上手く利用してください。量は少ないですが、写真が大きく分かりやすいので、授業でその範囲を習ったときにはしっかり見ておきましょう。桜蔭志望でしたら、四谷大塚の『予習シリーズ』を資料用として用意するのもよいかと思います(四谷大塚やアマゾンで購入可能です)。5年上下6年上で充分です。該当単元を習ったときに見ておくとよいでしょう。

自宅演習用の『栄冠への道』は問題選択が巧みで、良問が揃ったよい問題集なのですが、量が少ないのが難点です。桜蔭の入試では力学や化学計算で高度な処理力が求められます。「なんとか分かる」や「解けるけれども時間がかかる」状態ではテストで確実に得点するのは不可能です。これを克服するには演習量を増やすよりほかありません。身近に日能研生の先輩がいれば講習用テキストを譲り受けて該当範囲を解いてもよいですし、四谷大塚の『演習問題集』や『週テスト問題集』を購入して演習用に使うのもよいでしょう。

日能研の通常授業は「理解」に重点が置かれています。授業時間はほぼ単元内容の説明に充てられています。このため、日能研生は他塾生より理解が深い印象があります。ここはとてもよいところです。一方、授業時間内に演習を行わないため、「処理力=実際に問題を解く力」が弱いのも事実です。「内容は分かるけれども、何をすればよいか分からない」状態です。演習は春期・夏期・冬期の講習期間に行われますが、充分ではない、というのが正直な印象です。

この場合受験ドクターでは、具体的な解法を身につけてもらいます。「書き込み/書き抜きの仕方」「整理の仕方」「図のかき方」「要領のよい計算法」等、「手の動かし方」を覚えてもらうのです。もともと内容の理解はしっかりしている日能研生はこれで強くなります。

また、テスト問題に力を入れているのも日能研です。公開模試や、6年後半の合格力育成テストでは、最新の傾向に合わせた読解問題/実験・観察問題が出題されています。ネットに詳しい解説も載せられますので、ぜひ利用してほしいところです。ただ、桜蔭志望者には必要ない問題もありますので、取捨選択はプロに任せたほうが無難かと思います。

最後に、「知識」についてですが、『メモリーチェック』では全く足りません。基礎事項の確認として、夏期~9月頃に使うのは有効ですが、それ以降はもっと詳しいものにする必要があります。塾で補足の知識プリント等を配られればそれでよいですが、それがない場合はご家庭で用意してください。市販の『最高水準ノート』またはSAPIXの『コアプラス』(外部でも購入可能です)あたりがお勧めです。